法名ってなーに?

今から約2500年前にシャカ族の王子として生まれたゴータマ・シッダールタは、29歳の時に城を出て出家し、35歳の時にさとりを開き、ブッダ(覚った人)となりました。漢字では釈迦牟尼世尊と書きます。以来、80歳で入滅するまでに弟子たちに教えを説き続けました。出家し仏弟子になる者は世俗の名前を捨て、新たな名前をつけました。この名前が「法名」のはじまりと言われています。


出家した仏弟子たちの集団をサンガといいます。サンガは平等であり対等な集団でした。当時のインドはカーストと呼ばれる身分社会で、苗字を見ればその人がどのカーストに属しているかわかるようになっていました。世俗の名前を捨て、法名を名乗り、仏弟子として生きていくということは、人にレッテルをはり、区別していくようなあり方を捨てるという意味もあったのでしょうか。


ですので、法名は基本的に釋○○3文字となっています。(釋は釈迦牟尼世尊の釈の旧漢語です。)現在、法名は基本的には本山で帰敬式(ききょうしき)という儀式を経るとだれでもいただけることになっています。法名をいただくことはゴールではなく新たなスタートをきるということでした。